ダメだと言われてもついついやってしまうのが人間。あ、子ネコもそうですか。
お母さんネコに、庭から出てはいけません、外の森に行ってはいけないよ、と言われていたのに、子ネコはチョウチョを追いかけてふらふらと外へ出てしまいます。気づいてみると深い森の中。帰る道がわかりません。
困って泣いていると、そこへ、まず子ウサギが現れます。「君は誰?」子ネコは自分がネコだということも知りません。お母さん探しが始まります。
「ウサギかも!」ということになって、母さんウサギの所へ行くと「リスじゃないの?」それで、リスの所へ行くと「アナグマじゃないの?」それで…。あらら、どうなっちゃうんでしょうか?
raconté par Robert Giraud d'après la tradition russe
Robert Giraud ロベール・ジローによるロシア伝承の再話
Illustrations de Vanessa Gautier
イラストはVanessa Gautier ヴァネッサ・ゴティエ
(サイトで素敵なイラストやクロッキーcroquisが見られます)
この絵本の始まりは…
La chatte de la ferme avait un chaton, très gentil et très affectueux,
mais qui ne connaissait encore rien à la vie.
Aussi sa maman lui expliqua bien
qu'il ne devait pas sortir de la cour.
Tout autour s'étendait une immense forêt où aucun chat n'allez jamais;
car on pouvait y rencontrer des bêtes terribles.
Un jour, le chaton vit le portail ouvert et il eut très envie de se promener en liberté.
...
農場に住む母さんネコに一匹の子ネコがありました。優しくて甘えん坊、そして、まったくの世間知らずの子ネコです。
それで母さんネコは、庭の外へ出てはいけないよと、よくよく言って聞かせねばなりませんでした。
辺りはすっかり奥深い森に囲まれており、ネコというネコは一匹たりとも足を踏み入れたことがありません。というのも、そこで恐ろしい獣と出会うかもしれないのですから。
ある日のこと、子ネコは庭の扉が開いているのを目にしました。すると、好きにお散歩したい、という気持ちが強くなりました。
…(ヘタ訳しょこり)
何だか、この始まり方、覚えがありませんか?
そう、「ピーターとオオカミ Pierre et le loup」 の始まりもそうでしたね。
おじいさんに庭から出るなと言われていたのに森に入ってしまったピーター。
でも、この時も庭の木戸が開いていたような…。
戸を開けておいて出るなとか、箱を渡しておいて開けるなとか、人を試すような物語がたくさんあるんですよね。で、大抵実行してしまう。でも、そのおかげで、恐れていた森の正体が分かったり、現実を直視することになったり。まぁ、とにかく踏み出すことで、見えてくるものもある。
désobéissant 反抗、不従順
覚えてねと言われると、なかなか単語を覚えられないのに、この単語は覚えなくていいよ、と言われたものに限って一回で覚えちゃうとか…。え?意味違う?